尾道市・福山市・三原市の安保不動産が任意売却について解説しています。

1カ月程度の滞納であれば、債権者である金融機関はまだ行動を起こしません。しかしこれが3カ月以上ともなると、督促状や催告状を滞納者に送ります。そうなると遅かれ早かれ、金融機関はローンの一括返済を債務者である家主に要求しますが、これに回答しないでいると、金融機関は強制的に住宅を売り、債権の回収を図ろうとします。これが「競売」と呼ばれるもの。もし、あなたが住宅ローンを3カ月以上滞納していたら、早急に何らかの対応を取らなければなりません。

一般に完済間近でもなければ、不動産を売却しても住宅ローンの全額を金融機関に返済することはできません。バブル期とは違い、不動産価格が上昇機運にない今日ではこれが普通と言えるでしょう。

たとえば1500万円を住宅ローンで借りて購入した家が、売却しても500万円にしかならず、1000万円の借金が残るといったことはもはや当たり前。業界用語ではこの状態を「オーバーローン」と言い、文字通り、不動産の価値を住宅ローンが上回っていることを指していますが、こうなると「住宅ローンを払えなくなっても、いざとなれば自宅を売ればなんとかなる」といった考えはさすがに通用しません。

任意売却とは、こうした場合に不動産業者が債務者と債権者（金融機関）の間を取り持つことで、家や土地を競売にかけず、なおかつ債務者、債権者、不動産購入者（売却先）が納得のいく価格で取引を進める手法です。競売が二束三文で家と土地を手放すことになるのに対し、ある程度住宅ローンに充当できるだけの金額を手にできるのが任意売却の特徴です。文字通り、これで最悪の事態を回避することができるわけです。

しかし、その最後の奥の手である任意売却も、その進め方や業者の選び方によっては思わぬリスクを抱えてしまいます。もし、任意売却がスムーズに進まないようならば、競売へのタイムリミットが迫り、最悪の事態を受け入れなければなりません。決断が早いことに越したことはありませんが、今後の人生や家族の行く末にも関わる重大要件です。失敗しないためにも慎重さを忘れず行動したいものです。